はじめに

去る2022年8月28日に,神戸大学のメールシステムが大きく変更された。 詳細なサーバーの設定などは大学サイトに譲り,ここではあまり役に立たない解説をする。

1. 何が変わるのか?

従来では,メールの送受信には神戸大学内に設置されたサーバー(旧サーバー)を利用していた。 今後は,Microsoft社の提供するメールシステム(新サーバー)が採用された。

2. 利点はあるのか?

  1. 容量問題
    • 旧サーバーでは,メールボックスなどの容量制限から,メールは180日で消去されていた
    • 新サーバーでは,卒業まで100GB の容量が利用可能となり,自動消去がなくなる
  2. 利便性の向上
    • 旧サーバーでは,メールが削除される関係から,POP アクセスが推奨されたていた
    • 新サーバーに変更されたことで,IMAP アクセスが利用可能になり,PC やスマホなどで,横断してメールを確認できる
  3. 障害対策
    • 2022年8月のように大学のネットワークに障害が発生した場合でも,大学のメールを利用して連絡が可能になる
    • Microsoft 社も定期的に障害を起こしている気はするが…
  4. セキュリティ向上
    • OAuth2という認証方式を採用したことで,メールを不正利用されにくくなる
    • それに伴い,一部の環境で大学のメールの一部機能が利用できなくなった(後述)

3. 具体的にどう変わるの?

受信

  • メールの受信では,ユーザーが参照するメールボックス(メールの保存場所)の場所がが変更された
  • (引っ越ししたら通販に登録する住所を更新する,ようなイメージ)。 - 更新前,旧サーバーに設けられた受信箱を利用していた - 更新後,新サーバーに設けられた受信箱を利用する
  • メールを読むにはユーザー側での参照するメールソフト(Thunderbird など)の再設定が必要となる
  • メール自体は新サーバーに届けられているので,そちらを参照することで読むことができる
graph LR
    メール送信元.->旧サーバー
    メール送信元-->新サーバー
    旧サーバー-->メール受信者
    新サーバー-->メール受信者

送信

  • メールの送信では,ユーザーが利用する送信システム(配達業者のようなもの)が変更された - 更新前,旧サーバーに設けられた送信システムを利用していた - 更新後,新サーバーに設けられた送信システムを利用する
  • 同様に,ユーザー側での参照するメールソフト(Thunderbird など)の再設定が必要となる
graph LR
    メール送信者-->旧サーバー
    メール送信者-->新サーバー
    旧サーバー-->メール受信者
    新サーバー-->メール受信者

4. 注意点

  • アカウント
    • 神戸大学の MS アカウントといえば,Office のアカウントがあるあれは Office をダウンロードするためだけのアカウントで,認証システム自体も MS 社が保持している
    • 一方でメールアカウントは,メールシステムが MS 社なだけで,認証システムには神戸大学のシステム(学認)を利用している
      • そこを混同しないよう
  • メール転送設定
  • GSuite との連携
    • 学番メールが180日で消えてしまうことを嫌って,容量内永続の GSuite を主メーラとして利用していた場合 - 受信は転送設定で問題なく利用可能である - 送信は今後不可能となる - Gmail の他メールアドレスからの送信設定で STARTLS をサポートしていないため - Google としてはやる気が内容なので,あきらめるしかない - 対策: - @stu での送信をあきらめて @gsuite を利用する - @stu での送信が必要な場合は,適時他のメーラーを利用するなどの対策が考えられる